「福島から語る」Vol.7 湯野川政弘さん(2015年5月15日)

次に、今どれくらいの避難者がいるか表にしてみましたので資料をご覧ください。私たちが避難した平成23(2011)年6月の時点で米沢市に2,000人、全国では45,000人でした。
平成24(2012)年1月では全国で63,000人、山形県で13,000人が避難していました。
平成27(2015)年3月では全国で47,000人、山形県で4,000人、米沢市は1,000人です。また、米沢の置賜地区(注:山形県南部の総称)では大体1,500人くらいが避難しています。
県別に見ると、東京都が一番多く6,000人、次が埼玉県で5,000人、その次が山形県と新潟県で4,000人ですが、福島県からの避難者は47都道府県すべてにいるそうです。

福島県・県外避難者の推移(福島県HP・山形県HPより 単位:人)

平成23年6月 平成24年1月 平成27年3月
全   国 45,242 62,808 46,902
うち山形県 5,518 13,03 33,960
うち山形市 1,100 5,494 1,404
うち米沢市 2,079 3,819 1,051

 

県別避難者(平成27年3月)

東京都 6,051
埼玉県 5,011
山形県 3,960
新潟県 3,925
茨城県 3,474
神奈川県 3,402
千葉県 3,084
栃木県 2,839
宮城県 2,597
北海道 1,579

皆様の中には、放射線の影響なんてそんなにたいしたことはないと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、私は決してそんなことはないと思っています。実際、私たち、特に子どもたちは、健康管理の面からいろいろな検査をずっと受けてきています。
まず、県民健康管理調査ですが、福島県民200万人全員にファイルが渡され、いろいろな検査は全てこれにとじるようになっており、その中には受診記録を記入する欄があります。この基本調査ですが、原発事故後3~4カ月間の行動記録を提出し、「外部被ばく」、つまり事故直後に県民一人一人がどれぐらい被曝したか推計されて戻ってきます。また、内部被ばく検査という検査も受けています。こちらはホールボディーカウンターという機械で全身を測り、食べ物などを通して体の内部に放射性物質が入ってないかどうかを検査します。また、子どもたちは年に1回、希望者にガラスバッジが渡されます。3カ月間、学校の行き帰りを含め、日常生活の中で受けている被ばく線量がどれくらいあるかを計算し、その記録が戻ってきます。それ以外にもさまざまな検査が行われており、これらすべてを各自が管理するためのファイルなのです。