「福島から語る」Vol.9 朝尾光二さん (2018年4月21日)

少し話が戻るのですけれど、中間貯蔵施設、大熊町と双葉町にも1Fの周りにフレコンバックを処理・減容化して、埋めていくということです。これは昨年、17年の記事です。
今年の新聞を持ってきたのですけれど、こういう記事がなかったので、これを撮りました。減容化施設というのはフレコンバックをベルトコンベアーで運んでいって、刃物で裂くわけです。ザーッと落として、またベルトコンベアーに乗せ、放射線量を測って、8,000ベクレル以下は一般の処分焼却炉へ持って行く。
10,000ベクレル以上は減容化した上で、中間貯蔵施設に運ぶ。減容化とはどういうことかというと、容積を減らす為に燃やしてしまうわけです。灰になっても10,000ベクレル以上のものを中間貯蔵施設に埋めていくのですが、その中間貯蔵施設は大熊町と双葉町の中間点、原発の周辺に作ります。半径3キロ位のところの半円です。片側は海ですから。
そこに埋め込むのです。フレコンバッグから黒いのを抜くと、このような茶色い袋が出てきます。新聞TVニュースでご覧になったかも分りませんが、内側の袋はきちんと締められてなくて、雨水が入ってオーバーフローするまま流れていったというのがあるのです。これは、ゼネコンの現場監督が作業の効率を高める為に、内側を縛り、外側の黒いのをきっちり縛ってやらないと、また水が入ってしまうと言うので、敢えて二重の袋なのです。
高いお金を出して買っている。だけど中の袋を締めずに外の袋だけを閉めた。そして、水が入ってオーバーフローした。
だから、先程の緑のオーバーシートもそのような理由があるのかもしれません。最初は、黒い塊があんな風に置かれていたら気持ち悪くて帰れないと言うので、緑のシートを被せたという説明だったのです。だけど、つい去年だったかな、犯罪的な処分、効率を上げる為に中の内袋の口を締めませんでしたということが分ったら、あのグリーンのビニールオーバーシートはそちらの方を優先することだったというのが理由だったのかと思わせる出来事でした。
先程の8,000ベクレル以下10,000ベクレル以上、8,000ベクレルと10,000ベクレルの間はどうなるかというと、これは別の処分場で特殊な集塵機をつけ、そこで燃やしてしまうのです。
だから、そこが一番危ないです。高濃度を燃やしています。特殊な焼却場で燃やすと言っています。東京にあるかどうか分りませんが、幾つかそういう焼却場を設けて、そこで燃やします。8,000ベクレル以下はコンクリートの防波堤の材料にしています。
福島もそうですけど、三陸から何から、今、どんどん防波堤を造っています。その防潮堤・防波堤の材料に使っているのです。10,000ベクレル以上のものは中間貯蔵施設に入ってくるのですけれど、用地買収が進まないということです。
これは34%進んでいますという宣伝ですけれど…。こういう流れの中で分別します。中間貯蔵施設受け入れの分別、フレコンバッグをベルトコンベアーに載せて分別すると、下の方に書いてあります。これは双葉町での作業です。これは先程、見ていただいた白い施設の中での作業です。これは避難者の推移です。直接死とか関連死のことですが、関連死の方が上回っているということです。仮置き場だというのにこの様に五段積みになっています。