「福島から語る」Vol.6 柳沼千賀子さん(2013年11月15日)

 私たちの活動としてもう一つ、野菜支援があります。仮設の方に野菜を配っています。発端は仮設の方々からの声でした。原発事故後、スーパーから福島産の野菜は消えました。しかし、1年が経った頃、地元の福島産の野菜が食べたいという声が出てきたことを受け、無料で配布することにしました。500円分を袋に詰め、仮設の全戸に配布することにしました。その資金は一口500円で寄付をお願いすることにしました。この活動は全戸を訪問するので、安否確認の役割もできることから「見回り」という大きな意味のあるものとなっています。また、その配布する野菜も震災後、良品でありながら風評被害のために売れなくなってしまった野菜を仕入れています。ささやかでありながら仮設も農家も助けられ、また、他県の方々に福島県を忘れずに関わっていただけるという三重の意味のある活動となっています。
 皆様にお願いしたいことは、支援活動のボランティアの数も少なくなっているので、若者と高齢者がグループを組み、お金はあるが労働はできない高齢者が旅費を出し、お金はないが体力はあるという若者を送り出していただき、チームでボランティアを送っていただきたいと思います。そして帰って来たら報告会を開いて、その活動を共有するといいと思います。
 物資の支援については、今の時期、ある意味では十分ですが、自主避難の方々のためにはまだまだ必要と考えます。彼らは経済的に困窮している上、公立の学校に入れないので、私立に行かざるを得ず、日用品・生活必需品なども支援の対象となります。
 幼稚園支援に関しては、原町の幼稚園では震災前には90名もいた園児が震災後13名に激減し、今は30名近く戻ってきています。子どもたちの遊具などのご支援をいただければと思います。
 購買支援としては、福島と言うだけで物が売れなくなっていますので、野菜のみならず福島県の物産を買っていただきたいです。また観光客も激減してしまいました。ボランティアをしなくても、福島へ来てくださるだけでもありがたいのです。福島は無名ですが、温泉が200もございます。温泉旅館に泊まって食べて飲んでお土産を買って遊んでいただき、楽しんで喜んでいただければ、それも大きな支援です。ツアーを組んで遊山をしていただくことも有難いことです。
 最後に、福島にいらした感想を周りの方々に話していただければ幸いです。福島は復興にはまだまだ遠い状態にあるので、ご自分の見聞きされたことを、人々に伝えていただきたいと思います。